わたしは、知ってるんだ。

 

なんで文字みただけでこんなにぐあって目頭熱くなるかって、

わたしは全部ぜんぶ知ってるんだほんとは、

どういう意味かなんて

どういう意思かなんて

わかってるんだ。

だから、わかるんだ。

 

ぜんぶ都合のいいように捉えてきてたけど

よくよく考えれば知ってたんだ、昔から。

下線部の著者の考えを示しなさい、なんて言われなくたっていつだってわらって泣いて、悔しくって相手を恨んで愛おしくなってそれが。

 

わたしに与えられた唯一だ、

他の人にあっても別にいい。

わたしにとって唯一なんだ、言葉が。

だからだ。

知ってた。わかってたんだよなあ。

言葉どおりに動いてたのは、家族だったんだ。

認めたくなかったんだ、

死ねと言いながらばあちゃんを殴るじいちゃんを止められなかったことや

おまえはもういらないといってお父さんに庭の奥の木に縛り付けられたことや

扉をしめられたこと

お母さんがお風呂で泣いたこと

締め出された外の寒い中ひとりで泣きながら眠ってしまったこと

わからなかったから、いろんな人の感情を広げてみてはアレも違うコレも違うって

どうしたら親が喜んでくれるかわからなかったなあ。

悲しいことや痛いことやわたしにはどうしても許容できないことがおおすぎたのがしれないな。

きっと、きっとって

違う風に思いたかったんだよ

だから、作り話の主人公の考えてることなんかすぐわかったさ。当たり前だ。

つくり話だったんだもん。

わたしが。