(1)

あなたはだれですか、

あなたを突き動かしているのはどんな人間ですか?

 

 

わたしとずっと一緒にいるのは、

小さな女の子です。

夢見がちで、可愛いもの、うつくしいものがとても好きな表現力豊かな少女です。

言葉の組み合わせから来る新しい感覚や、自然から溢れる情景に五感を向けることが好きで、それを自分の長所と認識しています。

さらにひとの感情に敏感で、表情や言葉から特に恐怖や不安という感情を汲み取りやすく、そして影響されやすく、もっといえば自分がそれを解消せねばならないとまで負い目を感じる自信家でもあります。

ただ、彼女は決して同情や庇護のみを欲しているわけではなく、寧ろ弱いものとして扱われることに慣れていません。なので、自らが望まないうちに他者が手を差し伸べることを侮辱と捉える節があります。これは、幼い頃から「できることは自分でやってきた」という一種の傲慢さとも言える彼女の自信がそうさせています。

なので、本当に自分ひとりではどうしようもない時に人を頼るのですが、普段より助けられる事に嫌悪感があるため、自分よりも格上と認めた人間(この人なら私を助けてくれる能力があるだろうと認識した人、役割として私を助けるべきだと思った人)にしか助けを求めません。例えばそれは両親であったり、分野において特に信用に足る相手だったりします。ただ、これは彼女の出生が影響しているですが、頼るといっても信頼しているわけではないのです。

これは最近わかったことなのですが、

基本的に色々なことに懐疑的であります。

いわゆる、無条件の愛というものを信じていませんし、それ自体に肌感覚も脳も追いついていません。

なにかを得る、その代わりにあるもの。そのくらいの認識でこれまでの恋愛も経験してきたことでしょう。

なので何か差し出せるものがない内に誰かに求められてしまうと、無理をしてあるものでできるだけ対応するようにします。それはお金や、体や、言葉ですが、望んでそうしたことという認識は本人の中で未だしっくりきていません。

嫌われない、という目的の為に全てを行ってきたというのが大枠で自分の本音として正解だと考えています。

おそらく、

初めて知った感情が彼女にとって恐ろしいものだった為、とりあえずは彼女の中でわかりやすく快感を得たもの。つまり物や経験で相手に快楽の感情を得ようと考えているのですが、

物やお金でひとの心は手に入りませんし、ぶつかりあうことに、死を連想するほどの恐怖を覚えてしまった今、なかなか恐怖から抜け出せずにいるのです。そして残念なことに

怖い、助けてほしい、と言えればいいのですが。それもそうでない。