別物と、クレヨン

 

色んな、多分何十種類というクレヨンを殴り書きしてできたのが今のわたしだ。

表面は真っ暗だ。

真っ黒だ。

削ろうとしないと見えない。

でも、削ろうとすると爪の間にクレヨンが入って汚れる。

コインも同じだ。

削っても見たかった色が見えてこないからってもういいや、って終わったこともある。

キャンバスの色を見たくてたくさん削ろうとした人もいた

削ることに興味のない人ももちろん。

 

黒は

 

受け入れない

孤独な色だ。

高級だといわれることもあるけど、それは埃が被らないうちの話だ。

 

今は四方から埃をかぶりはじめて、

なんとか真ん中まで来ないように逃げているような、そんなかんじ。

 

埃で埋め尽くされてしまったら、もうクレヨンは黒はおしまいだ。

べとべとだ。

埃を払っても薄く張り付いて完全に取り払うことはきっとできない。

 

だから、表面ごと全部削ってしまえばいいと思った。

 

鮮やかな色が削る荒さと同じ幅で見える。

 

高揚するけど、とてもこわい。

激しさや醜さや弱さが見えてしまえば

いつか手を止めてしまうだろうし。

 

なりたかった色も、重ねすぎた色のせいでもはやいつのことかわからなくなった。

 

ほんとは、一番下のほんとに何も書く前の今とはかけ離れたわたしでありたかった。