40℃の羊水
経つ時間に増えてく水嵩
いつか見えるライトを待って
肩は冷えだしてる
心地よさってなんだろうって
仰向けに沈んでみて
鼓膜が曇るような音がして
はっきり見えてるのに世界が遠くなる感覚
わかりきった嘘をつかれてるようだ
すこしこわくなるけど、もういいや
視界が揺れていろんなひかりがチラつく
もはやこうなっては
とりあえず生きるために息を止めてみるか。
言葉が通じる相手ではないってわかるけど
嘘をわかってて
それでもそれを欲しがってしまう
もしいつか娘や息子を産むのだとしたら
本人たちが愛されているな、と自覚できるような愛し方をしたいと思うな
本物はなんなのかわからないけど
確実に違うとわかるものにでさえ縋ってしまうようなそんな寂しいことはさせたくない
心から望んでるものを違うもので埋めてしまったら埋まるどころか、余計に傷ついてさらに傷は深く歪になるんだよということでさえ気づかないでほしい
それでもわたしが経験してないことでたくさん傷つくんだろうな、と
そもそも、いつかなんてあるかわからない想像を繰り返して水の中で涙をこぼしてみた。