残置物の復讐

 

今はもう押し倒されてるのに、

私の脳は宙に放り出された腕の残像を左側から見える第三者視点で追っている。

 

今は恋愛関係においてフリーなので、誰といつ体を重ねても迷惑をかけることはないのだけど

また。

感情を取り戻すために誰かを使ってしまいそうで怖いな。目的ありきだと、逆に感情死ぬのわかってるのに。

 

この間仕事半分、プライベート半分くらいの気持ちで行った飲み会で「シュミレーション」という概念を知った。

 

私は仕事相手をあまりプライベートに取り込みたくないと思ってるから、余程距離が遠くない限りは関係者と恋愛をしない。

 

だからハナから仕事の関係者をそういう目でみることも全くと言っていいほどない。

見た目がかっこいいとか思うことはもちろんあるけど、芸能人をみるような気持ちだけ。

 

ただ、人によっては違うようで。

本人を目の前にして、「わたし、あなたでシュミレーションしたことあるよ。ケンカするだろうし、合わないだろうなって感じで終わったけど」と笑う同世代の女性を見て、なるほどー!と思った。

で、割とみんな「シュミレーションやるよねー!」って言っててびっくりした。

 

わたし、仕事でしか男性とリアルで会わないのにそれを全部範囲外にしてたから、それは確かに彼氏できないなーと。

 

で、取引先の人(Cさんとする)が

「ゆうこはAさん(上司的存在)はどう?Bくん(その場にいる取引先)はどう?」と聴いてくれたので、その時に思ったこと言ったけど、家に帰ってよくよく考えてみたが、そもそもAさんは既婚者で、お兄ちゃんだったらいいなーと思うくらい親近感も好意もあるけど、違うな。Bくんは話した総量少ないし、わからないからわからない。が正解なかんじ。

 

つまるとこ、結果Cさんが一番好きかも。とか思った。

シュミレーションはどうやったらいいのかわからないけど、わたしは独自のチェックリストがあって、どのくらい当てはまるかでそれは性欲なのか、相手を好きなのかわかるようにしている。

 

Cさん特段良かったのが、やはり言葉なのだ。

正しくは声と、使う言葉かな。

似合っているし、やさしいとわかる。

寂しさとか、隠さないところがなんともいじらしいのに、わかりやすく甘やかされないところに知性と理性を感じる。

あと、わたしは私とはおおよそ真逆の人が好きなのだ。

彼はその時に思ったことをはっきり言うのに、誰も傷つかない。まじすごい。色々ずるい。

 

だから家に帰って、ぼーっとCさんのことを考えて、

あー、もしあの人いなくなったらめっちゃ寂しいんだなとか

候補の人の中でかわいいって言ってもらえて嬉しいの、彼だけだなとか

ハグとキスできるかな、あ、余裕だなとか。

できたらその先の少し切羽詰まった顔も見てみたいなとか。

仕事のことは手伝えないかもだけど、必要なだけ優しくできる、あの人になら。とか。

そして多分だけど、一度好きになってくれたらあの人は一生手を繋いでいてくれるような気がした。

わたしの理想の永遠に無くならないものが、もしかしたらあるかもしれないと、欲がでた。

ケンカもたまにしそうだけど、理解するために必要なのであればやってみようと思った。

 

そのくらいには。好きなのかも。

と思ったら、まあ好きだよね。まいった。

 

既婚者なんだよなー、あと取引先。

勘弁してよねー、と思う。ワタシ。

成長してないよね。こういうとこ。

 

付き合ってもない、片想いだけでも他に目を向けられない性格なのに、勝算のないところに枠をあずけちゃだめでしょうよ。

 

ま、妄想の範囲で終わればいいか。

 

最終的に、一郎さん以上にわたしの中に残る人なんてこの先現れるわけないんだろうし。