先に情景が浮かぶ
小説を書いてると、いつも頭の中に3分間くらいのムービーが流れる。
あらすじ
登場人物の台詞
メインの人の過去の記憶
挿入歌
などなど
3分間だけだからそこから広げるの結構大変だったりするんだけど、それでもムービーがあるだけでとても大きな助けになる。
目を閉じると、より鮮明になって出てくるけれど視覚をなくすと創作というより記憶を辿るような感覚に陥るから悲しくなったり、ほほ笑んだり、奥歯を強く噛んで歯軋りしたり、3分間はまるで違う人のようだ。
自分という仕方のない人格以外に
たとえ作られた偽物でも、他の人の感情になれるのはなかなか無い体験だと思う
3分間の中に別人格の人生と感情と感覚が絶え間なく泳いでいるのを感じながら、私はそれを紙に書いていく。
こうすれば、こうなるなんて事は絶対ない。
凍った雪の上を走るように、どこで転ぶか滑るかつまづくか走り続けるか止まるか。
ひきしぼった健康な体がある時突然痛みを発するように、普遍的なことなど何もないとそう思う。
言葉を使わなくても、届くものはある。