イデア

 

あらゆる事象に対して、

つくった自分を盾として打ちだすことがある。

そのやりとりを繰り返しなんども重ねる。

知らないふり、わからないふり、気づいてないふり、わかってるふり、笑ってるふり、かしこいふり、かなしくないふり、うれしいふりも。

 

周りに見本が有ればあるほど

音や表情や使うタイミングをコピーする。

それは学びのようであるけれど、オリジナルではなくて。

というか、自分の周りのひとのコピーがわたしだ。

オリジナルなんてそもそもないとも思える。

 

でもなぜかずっとずっと傷ついている。

わたしではないものをインストールし続けて、化け物のようなモノになっていく。

王様ランキングの魔神みたいだ。

ひとの願いを叶えていくたびに醜くなる。

 

今日久しぶりに海でぼーっとしていて、

自然の音や光や色しか周りになかった。

なんか、楽なんだ。

自然には意味がない。

あれこれと及ぶ考えも

きれいだな、あたたかいな、気持ちいいな。

それと、

その感情に結びつく思い出。

 

昨日イデアという考え?よくわからないけど、

魂は別の世界にあって、現存する体はあくまでも像でしかない、という考えを信じている人に出会った。

 

その人がそう信じてる事についてはなんとも思わないけど、そんなことあるかいーって思ってしまった。

 

でも

もしほんとにそうなんだとしたら、

わたしのこころをどうか。

綺麗な景色が見えて、いつも季節の香りを運んでくれる風が吹くところにお引越しさせてあげてほしい。

 

いまは、こわいものや面倒やいちいち推しはからなくては回らないような世界にいるはずだから。

少し傷ついただけなのに致命傷になるようなシャボン玉のようなそんなこころだ。

 

きっと永久に保護者を欲しがり続けるのは、そういうことなのかもしれない。

彼女の理論だと。

 

たったひとりに守ってもらえれば、

たったひとりの大事にしたいひとがいれば

わたしのこころの帰る場所、灯台

きっとそれがあればいつでも、今日海で感じたようなわたしになるんだろうと思った。