遠くで、さようなら。
今わたしとして見えているものを全部裏切りたくなる気持ち。
名前も記憶も全部脱皮して、何もなかった頃に戻りたいわ。無理なの知ってるけど。
そのくらい。無駄に苦しい。
骨と肉を無理に剥がされるような気分だ。
代わりのきかない、穴ぼこだ。
時間を、おけばなんとかなるのかと思ってたけど私はそんなに正気ではなかったし
くわえてただ年をとっただけで、形は衰えて心根は動かないままだ。
正気ではないなら、正気だったのはいつまでなだろうか。
また、誰もわたしを知らないところへ逃げてしまおうか。
どんどん離れて、透明になって、いなくなって、擦り切れて最後に残った糸くずがわたしの本質だ。多分。
その端はもう掴んでるから、引っ張っちゃえば肉付けした今までのお話なんて意味をなさないから、途端につまらない。
いなくなる、のはわからないままがよかった。
知っていて欲しい、は時折人の苦しみになるって。身をもってしったけど。
ひっそり、勝手に、いつのまにか。
わたしはいなくなると思うけど、
その本当の本当の最後だけ知っていて欲しい。
それがいつか叶う願いのひとつ。
柔らかい、花のように開く時限爆弾。
派手な爆発なんてしない、ただどこかで花びらを広げて、萎びていくだけ。
滅び、みたいなのは深く考えてもわからないからしようがない。
生きられない、以上、でしょう。
何かを残すことを目的として生まれてきたのであれば、そのゲームは失格、大失格、失敗作でいい。
忙しい時だって、こうやって意味もなく暗がりの中の感情を眺めるのは嫌では無いし。